ハンコンを使用してレースゲームをするにあたって、みなさんは満足していますか??せっかく高いハンコンを持っていてもハンコン台が貧弱だったら勿体無いですよね。
1年前に折り畳み式のハンコンスタンド「Playseat Challenge」を購入しましたが、物足りず、アルミフレームを使ったコックピットを制作することを決意しました。
この記事は約1ヶ月に渡って自作コックピットを制作した備忘録です。
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自作コックピットの制作に至った経緯
「Playseat Challenge」はコンパクトで、シートの調節も簡単で手軽に使用することが可能です。収納も楽です。
しかし、欠点もありました
- 乗り降りに時間かかる
- 上下の動きに弱い
- 拡張性がない
シートから降りるために、ステアリング土台の接続部分を外してから降りる必要があります。10秒程度の作業ですが、非常に面倒くさい。また、ステアリングは重く、慎重に動かさないといけないので大変。
グランツーリスモのように丁寧にステアリングを操作するゲームでは全く問題はありません。
しかし、ドリフトを多用したり、ステアリング操作が激しいゲームの場合、台が上下に動いてしまいます。これが気になって仕方がなかった。
上記の理由に加えて
頻繁に収納することがない私にとっては折り畳み式である必要性はありませんでした。
反対にアルミフレームを使用したコックピットにすることで以下のようなメリットが得られます
- 乗り降りに苦労しない
- 剛性率が高い
- 拡張性の向上
利点①:乗り降りに苦労しない
実際に自家用車に装備されているシートを使えば乗り降りが楽になるはず。
利点②:剛性率が高い
ステアリングをしっかりと固定することが可能となり、快適なゲームプレイが実現できそう。
利点③:拡張性の向上
今後、シフターやサイドブレーキを使用したい場合に、容易に装備可能となる。
制作イメージ
頭の中で何となく描いていた完成イメージは「DRAPOJI(ドラポジ)|長谷川工業株式会社」様の
こんな感じです。というか、これを作ってみたい。シルバーよりもブラックの方が部屋に馴染みそう。さらには
これくらいシートの高さがあってもいいかも。
ということで資金的な余裕はありませんが、幸いなことに、時間は十分にあるため自作することに決めました。
市販のレーシングコックピットにしなかった理由は?
それは見た目と自作した方が安く済みそうだったからです笑
アルミフレームって物凄く格好良くないですか?笑
もし、「わざわざ制作する時間ないし、面倒い~」という場合でも、市販の製品を買っても十分OKだと思います。
実際、多くのプレイヤーが使用していますし、かなりの良品だと思います。事実、レビューが高い製品がほとんどです。
設計前の準備
ゼロから全て設計→制作してもよいのですが、先人の知恵をお借りするというのが私のモットー。
よって、最初は先例がないかを全力で調べました。
かなり完成度が高いです…凄い。しかもカッコいい!
さらに調べてみると、
というわけで、このお二方を参考に制作することに決めました!
遅ればせながら私の経験値をご紹介させていただきます。
- Autodesk社のInventorというソフトで簡単なロボット設計
- ミスミのアルミフレームでロボット組み立て
- 大学で材料力学の基礎の基礎を履修
制作するにあたって苦労することはない見通しです。耐久度の計算もそこまで難しくなさそうですね。
まず、シートを買わないと寸法すら決まらず、設計が出来ません。というわけで、早速シートを購入。
フルバケットシートから市販車のシートまで品揃えがとても豊富です。STiの純正シートやNSXの運転席シートなど面白いものもありました笑
今回、私が購入したのはスズキ スイフトスポーツ(CBA-Z32S)の純正シートです。
安価と見た目の両立で即購入しました。値段は本体価格:8,690円+送料:7,700円で
合計16,390円でした。
送料:7,700円
送料:7,700円?
★★★送料:7,700円★★★
いや、送料高すぎでしょwww
送料無料のキャンペーン中に買えたら良かったのですが…うーん残念。
気を取り直して、材料の選定と設計でコスト削減を決意。
過去に使用したことのある、ミスミのアルミフレームを使って組み立てることにしました。
ミスミのアルミフレームは5シリーズや8シリーズといったカテゴリが分けられています。また、軽量アルミフレームから光合成アルミフレームまで様々な材質も用意されています。
それぞれ強度や重さの違いがあり、用途によって適切に選択する必要があります。
アルミフレームの種類
価格と重量を考慮すると5シリーズのみで仕上げても良いと思いました。
しかし、組み立て後の見た目も考慮して、一回り大きめの6シリーズの材質がNEFSのアルミフレームをメインとして設計をすることにしました。
設計
準備は整いました。後はコストと拡張性を意識して設計するだけです。
設計の際に使用したソフトはAutodesk Inventorとmisumi framesです。
今回、私が購入したシートにはシートレールが付属していました。
しかし、下の画像のようにシートレールの一部に突起がついており、この突起を考慮した設計が必要でした。
その結果シートの部分は下記のようなイメージに
高さを作るためにシートレールに接続するアルミフレームは8シリーズにしました。
シートレールにはΦ12の穴が開いてるのでワッシャーと組み合わせて工夫すればM8の六角ボルト取り付け可能です。
私が使用しているハンコンはT300RS GT EDITIONです。これをベースに考えていきます。ペダル設置後も左右、上下に移動ができるように設計していきます。
ペダルの裏面は以下の画像のようになっており、M6のボルトが入る箇所が3箇所あるため、容易に固定ができます。
その結果このような形に収まりました。
意外とシンプルですね。水平に引かれた2本のアルミフレームでペダルの台を傾けることも出来ます。
T300RSのステアリングの底面にも穴が空いており、M6のボルトで2箇所、固定することができます。
その結果、このようになりました。
後述でもありますが、モニターを載せる部分を設けるために、ステアリング部分のアルミフレームは長めに設定しています。
モニター部分の設計が一番迷いました。
普段ゲームをする時は、画面から離れるタイプなので、一定の距離を取れるように設計しました。
対応VESA規格:100mm×100mmの24.5インチディスプレイを持っているので、それに合わせて設計しています。
真ん中の灰色の部品はサンワサプライのCR-LA301という壁掛け金具です。
シリーズ6の60×30mmのアルミフレームと相性がいいため、これを選択しました。
また、この設計は部品の配置を変えることで下の画像のように、画面が近い状態にすることも出来ます。
シートやハンコンをCAD上で表現するのが難しいのでリアルさには欠けますが、おおよその全体像が出来上がりました。
各パーツの寸法は身長を考慮して設計しています。寸法や重量、値段の表示はmisumi framesの方が楽に算出してくれました。
合計金額:28,984円(税込)
総重量:18.29kg
合計金額はブラケットなどの締結部品も含めての値段となっています。
今回は6シリーズで設計しましたが、8シリーズで設計していたら、さらに重く、値段も跳ね上がっていたかもしれないです。
ちなみに、白アルマイト処理(シルバー)の場合は23,838円でした。
設計は以上で終わりです。長くなってしまったので、【組み立て編】を別記事に続きを書こうと思います。